高校1年の三学期が始まってすぐ、昭和が終わった。二学年上の先輩が、自分たちの名前と「平成最初の卒業生」と部室の壁に落書きして進学して行ったのを覚えている。 新しい時代「平成」への期待があった。
それから31年。自分の人生の春から夏が平成だった。令和は秋に当たる。ワクワク感はあまりないが、さほど悲観もしていない。故郷丹波地域は人口減で、いわゆる「消滅可能性自治体」と言われている。消滅と言われるとおそろしく感じるが、冷静に考えると、自治体の再編が進み新しい自治体ができるだけで、そこに住む人々の暮らしが消滅する訳ではない。
昭和の時代に暮らしていた時、平成にインターネットが普及し世の中が大きくかわることを予期できなかったように、令和も思いもつかない変化が待っていることだろう。 いつの時代だって困難はあったはずで、先人がそうだったように、知恵と工夫と柔軟さ、したたかさで、淡々と暮らしていく。そうやって生きていく丹波地域の人の姿を新時代になっても丹波新聞で報じていけたらと思う。
(足立智和)