丹波篠山市立歴史美術館(呉服町)と、武家屋敷安間家史料館(西新町)で、天皇の即位に関する掛け軸や石版画を展示している。いずれも青山家所蔵コレクションの中からの初公開史料で、今年10月に天皇の即位礼正殿の儀が執り行われるのを前に企画。「この機会に、市の文化施設を巡りながら、ぜひご覧いただきたい」と、来館を呼びかけている。今年12月ごろまでを予定している。
歴史美術館に展示しているのは、掛け軸「御即位の図」(118センチ×54・5センチ)で、江戸時代の京都御所の紫宸殿における即位に伴う儀式を描いたものだが、どの天皇のものかは不明。中央上に描かれている天皇の席が「高御座」。
安間家史料館に展示しているのは、大正天皇御大礼関連史料。大正天皇の即位に伴う儀式や、天皇がその年の新穀を神に供える大嘗祭(新嘗祭)、大嘗祭が終わった後の宴席「大饗の儀」の様子などを描いた石版画6点を並べている。いずれも1915年(大正4)の作品。
即位礼正殿の儀は、新天皇が皇位を継承したことを国の内外に示す儀式。昭和天皇までは京都御所の紫宸殿で行われていたが、平成からは東京の皇居で行われている。現在の高御座は、皇后の御帳台とともに京都御所の紫宸殿に常設されており、平成の即位の際は自衛隊のヘリで東京まで極秘で運ばれたが、今回は解体後にトラックで運ばれ、装飾などが修復されるという。