茶づくり

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 先日、丹波市市島町乙河内で製茶業を営んでおられる荻野好人さんに、茶づくりのようすを取材させてもらった。自宅の木屋を小さな茶工場にし、自家栽培した茶葉で細々とお茶を作り続けている。 82歳の荻野さんは、茶に携わって70年になる。昭和15年から灘の酒造会社で働き、杜氏になった翌年の昭和39年に「返済の見込みが立った」ことから、機械一式を購入。荻野さんによると、酒づくりが終わった後は茶づくりをするのが、丹波杜氏の伝統の一つだったそうだ。 茶づくりは、篠山が丹波茶の本場とされているが、以前は丹波市でも栽培、製造が盛んで、「氷上郡茶業組合」には30近くの業者が加盟していたそうだ。自家消費分を手作りする人も少しはいるが、年々珍しくなってきている。 篠山では茶まつりが開かれるなど、茶を観光の一つと位置付けている。丹波市でも、茶の木がある集落は、交流事業に茶づくりを取り入れてはどうだろう。一番茶でなくても、二番茶は7月、三番茶は9月から10月にかけて作れる。ムシロに茶葉をこすりつけてもむ作業は結構しんどいが、「少しだけ」なら、きっと楽しいだろう。(足立智和)

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