2月末の高校の卒業式をトップに、3月に入れば中学校、小学校と卒業式が順に行われる。生徒の多い大きな学校もあれば、卒業生が数人しかいない小学校も。どんな卒業式も、それぞれ味わいが深い。 個人的に、取材の中で一番感動するのは養護学校の卒業式だ。卒業生たちが力いっぱい読み上げるメッセージに、思わずもらい泣きしてしまう。卒業後もいろいろと困難はあるだろうけど、未来への希望や卒業の喜びがあふれているように感じる。 振りかえって自分が生徒のころの卒業式は、実はそれほど感動していなかったように思う。ボーっとしていたのだろう。高校の卒業式は、何となく解放感があったのを覚えている。 社会人には、「卒業式」はもうない。転勤や部署の配置替えなどがあれば気分も変わるが、そうでなければ知らず知らず、生活がのんべんだらりんになる恐れがある。 「4月」は、日本人にとっては新年度が始まる区切りの月。大人になって卒業式はなくなったけれど、日々の生活がマンネリ化しないように新年度の目標を立ててみたい。三寒四温の季節のなかで、桜の開花を思い浮かべながら。(徳舛 純)