恋愛小説家

2007.01.29
未―コラム記者ノート

 「小説とか詩も書くの?」と聞かれることがたまにあるが、それはできないということは自分で分かる。人の話を聞いて原稿にまとめるのと、物語をつくるのとでは、ぜんぜん違うからだ。そんなこともあり、篠山に「恋愛小説家」がいると聞いて、取材させてもらうのをとても楽しみにしていた。「小説」しかも「恋愛モノ」を書いている人とはどんな人だろう。興味津々で会いに行った。 一昨年、「新風舎」と共同出版で「空たかく」を出した「南風美夢(みなみかぜ・みゆ)」さんは、黄色い車で現れた。電話の声から想像していたより年齢が上で、40歳代の主婦。白いニット帽をかぶり、ふわっとした素材のスカートをはいておられ、見た目にも30歳代半ばくらいに見えた。 小説を書き始めたのは6年前からで、夫と3人の子どもも応援してくれているらしい。きっと主婦業の方もがんばっておられるのだろう。 「女性はみんな、いつでも恋をしていてほしい。私も純粋な気持ちでそうしている」と言われた時、あ、そういえば…と何かを思い出したような気分だった。恋愛小説家はやはり自分の世界をもっている人だった。(徳舛 純)

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