学校トイレの洋式化

2019.09.12
丹波春秋未―コラム

 胃腸の調子がおかしい時などによく見る夢の一つが、ポッチ
ャン便所。子供の頃の我が家と、旧制高校の建物のままの大学の寮。床がきしみ、大雨の後など跳ね返ってきそうになって目が覚める。

 20歳くらいまではずっとそれが当たり前だった。お陰で、ウクライナの農場の床下5㍍ほどありそうな便所にも恐怖は感じなかったし、チベット行きの夜行列車のトイレのひどさにも耐えられた。

 先日の本紙記事「進む学校トイレの洋式化」で、「家族ならいいが、学校では誰が座っているかわからないので、和式がいい」という小学生もいると知って、うなってしまった。清潔で快適なトイレに越したことはない。しかし世界の小学校では、まだまだ色々なトイレがあり、それでも子供たちは元気に通っているということも知ってほしい。

 ところで最近のテレビで、除菌剤のCMが随分目につく。台所を水で洗ってきれいになったと思っているお母さんの所へ、顕微鏡の映像が映し出され、白衣を着た専門家らしい人が「ほらこんなに!」と警告。傍で子供が母親と一緒にうなずいている。

 菌だって生き物。全滅させるのが不可能なら、共存していくしかない。人体には免疫力という心強い味方が備わっている。共存を拒絶しようとすると、その味方まで弱めてしまうのでは。(E)

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