子どもが犠牲になる事件が相次ぐなか、あるニュースが目を引いた。「岩手県内で9日午後、男が泣いている幼稚園児を車に押し込めて走り去るのを下校途中の小学生らが目撃し110番通報。しかし約1時間後、祖父が駄々をこねる孫を車に乗せたもので事件ではないと判明した」という内容だ(「岩手日報」より)。 てん末を見れば笑い話だが、通報した子どもたちはほめてあげたい。記事によると子どもたちは、車のナンバーをメモしていたのをはじめ、男の人相などを詳細に警察署員に伝えた。そのため、わずか1時間での「スピード解決」に結びついたそうだ。不審と思えばまず警察に一報。この時勢では大切な姿勢だろう。 同時にこの記事を読んだとき、篠山での取材で関係者がこぼした「寄せられる情報には不確かなものもあるから」という言葉も頭に浮かんだ。まったく「シロ」の場合もあり得る不審者情報の扱いの難しさを述べた言葉で、対応を迫られる側としては自然な考えだと思う。 いずれにしても、事件性の有無を一般市民が判断するのは非常に困難だ。住民の立場としては、やはり迅速な通報が一番だと思う。(古西広祐)