下校途中の子どもを狙った犯罪が相次ぎ、学校や地域で安全対策の議論が高まっている。このところ加速度的に、社会に対する安心感がなくなっているようだ。あいさつをしても子どもに警戒されてしまう状況には多少違和感を覚えるのだが、丹波地域でも連れ去り未遂事件が起き、多くの不審者情報が寄せられている現状では、やはり仕方ないことなのだろう。 篠山市内のある小規模校の校長先生が、「数人しか児童がいない学年もあり、下校途中からどうしても一人にならざるを得ない子もいる」と嘆いておられた。担任の先生がクラス全員の児童を家まで送り届けることは不可能。子どもたちの安全を確実に守るには、スクールバスか保護者の送迎しかないのではないかと考えるが、これも現状ではかなり難しいと言える。 となれば、やはり頼みは「地域の力」だろう。低学年の下校時刻を防災行政無線で知らせている学校もある。すでに見守りボランティアが活動している校区も多いようだ。「シルバー世代」の力をこうした活動に借りることができれば、子育て世代もずいぶんと心強いだろうと思う。(徳舛 純)