今年度の国勢調査の速報値で、丹波市の人口が五年前の前回調査より約2000人減り、7808人になった。同市の2014年の目標人口は「7万人」。これからの施策に成否がかかる。 人口減に歯止めをかけるため、丹波市は、機構改革を検討している。福祉部に少子課、産業経済部に企業誘致係、企画部に定住対策係を設ける方向で検討しているが、なぜ、これらを一つの部なり課なりにまとめないのか、理解に苦しむ。縦割りを是正しなければ、相乗効果が期待できないのではないだろうか。 「現時点では市内にいない人」、「転入者」か「新しい命」を増やさなければ、市内の人口は「7万人」を保てない。そうなると、就職口を探したり、子どもを産み育てる若い世代への支援を拡大することが、やはり最善の策ということになる。 財源は限られている。「他の事業を後回しにしてでも」という市民の理解と協力抜きに大胆な取り組みはできない。「子どもが減った」と嘆く市民は多い。しかし、嘆くだけでは増えはしない。人口増に向けて市民一丸となって取り組めば、間違いなく、素晴らしい市になると思うのだが。(足立智和)