伝える力

2007.01.30
未―コラム記者ノート

 先日市島町の三輪小学校の児童が、戦争や平和について学習する「わかば学級」の発表会を取材した。5、6年生の希望者24人が、5カ月間にわたって地域の戦争体験者に聞き取りを行ったり、舞鶴市の引揚記念館を見学するなどの学習を積み重ねた成果を発表するもの。堂々と発表する姿に集まった人々は感心しきりで、もちろん私もその内の一人だった。 原爆投下の様子を紙芝居で再現した班は、空襲警報や原爆の炸裂音を効果的に取り入れて臨場感を出すなど、それぞれの班が発表方法を工夫しており、「どうしたら自分たちの考えが伝わるのか」という努力を精一杯したのだろうなと感じた。 その時に以前取材した際、先生が重要視していた「伝える力」という言葉を思い出した。 平和を願う心を相手にきちんと伝えることが、世界平和の第一歩なのだという。 児童の発表を聞き、その意味がはっきり分かった。戦争の悲惨さや平和の尊さを訴える言葉が、一つひとつ胸に響く。児童の「想い」を受け止めた大人の一人として、果たさなければいけない「責任」を感じた瞬間だった。(西澤健太郎)

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