ビールかけ

2007.01.30
未―コラム記者ノート

 阪神タイガースがリーグ優勝を決めた9月29日、私は春日町多利の春日部荘にいた。同地区では数年前から、100インチの大型のプロジェクターで阪神の優勝を見届けようと多くの住民が集まって観戦している。取材に行く直前、先輩に「優勝決定後のビールかけは大変なことになる」と忠告を受けた。しかし、なんとか言いつくろってビールまみれだけは回避しようと会場に向かった。 会場に着くとすでに熱気は最高潮。その瞬間、言いつくろうことなどできないと覚悟した。優勝が決定すると駐車場でビールかけが行われる。会場で腹ごしらえし、いざ駐車場へ。しかし腹ごしらえが長すぎたため、もう終わりかけだった。「このまま帰れるかも」と期待したのもつかの間、光栄にも残っていた最後の1本をかけていただいた。 不思議なものでビールまみれになったとたん、その場で一体感を感じ「次は日本シリーズで」と住民の方と固い約束をしてその日は別れた。 満ち足りた気分のなか、日本シリーズの時は着替えを用意して、心おきなくビールまみれになろう、そう岡田監督に誓った。(西澤健太郎)

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