二百十日参り

2007.01.30
未―コラム記者ノート

 市島町市ノ貝の二百十日参りを取材した。暦の立春から数えて210日目。ちょうど台風がやってくる時期にあたり、農村にとっては厄日とされ、昔から災いをさける行事が行われてきた。市ノ貝の場合は、親不知(おやしらず。標高604.6m)の中腹にあるほこらに参るのだが、取材する前は簡単に登れると思っていた。 山登りには多少慣れていたので、地域の人たちと一緒に出発した時は先頭を切って歩いていた。しかし5分も歩かないうちに道が急に悪くなり、勾配もきつくなりはじめた。最初こそ地域の人たちと話しなどしていたのだが、その内一言もしゃべれなくなった。おまけに昨年の台風の影響か、道を倒木が塞ぐなどしていたので、それを避けるために余計に体力を使った。目が霞み、膝が笑う。「あとちょっと」と地域の人たちに励まされ、ほこらに着いた時はカメラのシャッターをきるのがやっとだった。 少し落ち着いてから木々の間を見ると、市ノ貝と隣りの福知山市の美しい田園地帯が見えた。朝の山の空気も清々しい。自身の浅はかさと運動不足を痛感したが、貴重な経験も出来た一日だった。(西澤健太郎)

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