こんだ温泉のナシ

2007.01.30
未―コラム記者ノート

 「こんだ薬師温泉ぬくもりの郷」(篠山市今田町)のナシが、小さな実を付けた。このナシには思い入れがある。前任地の春日町にあり、一昨年に閉園した「春日観光農園」に植えられていたものだからだ。 同園には、担当時代に何度も訪れた。八月には、季節の話題としてナシ狩りの様子を取材したし、元日号の特集記事で関係者から開園時のエピソードを聞いたこともある。それだけに、閉園には驚いたし、果樹が伐採されたことも残念だった。 果樹の一部が同施設に植えられていると聞いていたので、篠山担当になって以来、いつか取材しようと思っていたが、今月上旬ようやくかなった。同施設には果樹栽培の技術を持つ職員がいないため、ナシは景観植物という位置付けだ。 案内された場所でナシは、青々とした葉を茂らせていた。その陰に、直径約五センチほどの小さな実が。同施設の職員からは「4月に咲く純白の花がきれいで、『何の木ですか』とたずねるお客もいます」という説明を聞いた。商品としての果実こそ生産しないが、木はこの土地にしっかりと根付いていた。来年は、真っ白な花の写真を撮ろうと思う。(古西広祐)

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