2月に温室効果ガスの削減を義務づけた京都議定書が発効したのを機に、篠山市地球温暖化防止活動推進連絡会が啓発パネル展を開いていた。具体的な削減方法として、篠山市内の「未来マップ」を掲示。刈った草や間伐材を燃料化し、温水プールに使うなど、バイオマスエネルギーの利用を提案していた。一方、丹波の森大学専科コース生がこのほど、「灰小屋」に関する活動報告書をまとめた。灰小屋は、化学肥料がなかった頃に、土、枝、ワラ、落ち葉などを何層にも重ね、燃やした灰を肥料にしていた。灰小屋は、全国でも珍しく、特に篠山に多く現存しており、報告書ではバイオマスエネルギーとしての可能性を示唆している。先日、篠山市で行なわれた黒大豆フォーラムでは、生産農家が「草木灰は化学肥料に代替できない効果がある」とした。また、篠山市左官技術研究会は地元の土を使った壁作りに生かそうと、灰小屋の構造や材質に注目している。整備中の県立丹波並木道中央公園では灰小屋を住民主体で建て、環境教育などに使う計画もある。灰小屋がいろんな視点から地域の資産として見直されていってほしい。(坂井謙介)