自宅で結婚式

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 『ジューンブライド』で知られる6月、篠山市内で式を挙げた前川誠さん、加奈子さん夫妻を取材した。一生に一度の結婚式なので、自分たちだけのオリジナルの式にしようと、場所に凝ったり演出を工夫したりする人が増えているそうだが、この2人は自宅での結婚式を挙げた。 事前に2人と話をしている時に、ブライダルマネージャーという仕事があると聞いた。いろいろな式の企画などを手がける人だそうで、2人も自宅で式を挙げたいと相談。しかし、山の頂上や駅での式など、かなりユニークなものを手がけたことはあるが、自宅では前例がないと言われたという。 40年ほど前までは家での挙式が一般的だったそうで、当日、花嫁行列を見ようと沿道に立つ近くの人や、親族の人らも「懐かしい」と口々に話していた。中には「逆に若い人に新鮮に映るのでは。こういうことを知って、地元に戻ってこようという若い人が増えれば」と期待する人がいた。 誠さんも「条件さえ整えば戻りたい。どこにいても自分の基本は篠山ですから」と話していた。地域の人にも祝福され、ほのぼのとした雰囲気にあふれていた。『人と違うこと』を考えるのもいいが、昔ながらのものを見直すのも素晴らしい。準備は大変そうだが、こういうことが広がると、まちも楽しくなりそうだ。(坂本守啓)

関連記事