足利尊氏ゆかりの古刹、兵庫県丹波市山南町の石龕寺(せきがんじ)で17日、「もみじ祭」が行われた。鮮やかに色づいた境内のモミジ並木の参道を武者行列が行進。多くの来場者がその雄姿にカメラを向けていた。秋の風物詩として毎年にぎわいを見せている同祭だが、祭りに関わる地域住民の高齢化や人手不足、資金難などを理由に30回目の今回をもって休止とする。
同祭のメーンイベント、武者行列には、ほら貝を吹き鳴らす10数人の山伏を先頭に、馬にまたがった尊氏役と尊氏の息子義詮(よしあきら)役の男性の2人が、地域住民4人が扮する甲冑隊や地元の小学校教員による侍大将5人、小学生を中心とした少年武者と少女物詣(ものもうで)からなる計70人ほどの隊列を率いて堂々と行進。参道の両脇にはカメラを手にした多くの来場者がシャッターチャンスを狙った。
このほか、護摩供養をはじめ、地域の各種団体がバザーや飲食ブースを切り盛りしたり、スタンプラリーや的当てゲームを企画するなどして、来場者を楽しませた。
実行委員長の田中延重さんは、「最後とあってか、例年より明らかに多くの来場がある。天気も紅葉の具合も最後にふさわしい最高のものとなった。今はやりきったという気持ちでいっぱい」と話していた。
来年からは、同寺主催で、規模を縮小して催しを行うとしている。