人生の大先輩

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 今度西崎流の名取になられた吉竹芳子さん(柏原町在住)は、満90歳と聞いて驚いた。卒寿を迎えているが、とてもそんな高齢には見えない。 9日の舞台では、9歳の幼子の役を演じる「菊づくし」を披露する。80歳以上も年齢の違う役どころにまたびっくり。「かたい体では小さい子どもの動作は難しいが、童心に帰って踊りたい」と抱負を話された。 吉竹さんは元中学校の家庭科教諭。今でも現役で若い女性に料理を教えているそうだ。定年まで学校に勤めたあと、地域で民踊を指導。現在の師匠の西崎祥さんは、実は中学時代の教え子だとか。14年前、「後ろ姿に憧れて」西崎さんのもとに入門したという。 吉竹さんの口ぶりは謙虚で、「生きがいがあって幸せ。踊りを通して人生の大きな勉強をさせてもらっている。健康である限り、西崎先生の人柄についていきたい」と話しておられたのが印象に残った。 「芸の道には終わりがない」ということもあるかもしれないが、いくつになっても「憧れ」や「向上心」を持ち続けておられることに感服した。 同じ教室で学ぶ方たちはもちろん、人生の大先輩として、その生き方から教えられている人も多いに違いない。いつまでもお元気でがんばってほしい。        (徳舛 純)

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