兵庫県丹波市は、同市水道部職員の男(40)が官製談合防止法違反などの罪で逮捕・起訴されたことを受け、不祥事の再発防止策をまとめた。個人の携帯電話を業務に使うことの禁止、単独でなく複数の職員で現場対応などに取り組む。
同市青垣町佐治地内などの老朽化した水道管の更新工事の入札で、事前に同市内の工事業者に価格などを漏らし、同社に落札させた疑いで今年1月に逮捕された。また、公契約関係競売入札妨害の疑いで、同市内の建設会社役員の男も逮捕された。市職員の男は、個人の携帯電話を使用して業者と連絡を取り合っていた。
再発防止策として、事業者らとの連絡調整に個人携帯電話を使用しないことや、不正が働きにくい入札制度の検討、職員の倫理意識の向上―などに取り組むとした。必要な部署には、市が公用の携帯電話を用意する。市によると、近々、全職員に業務に個人携帯電話を使わないよう注意喚起する。導入時期は未定だが、主に工事に関連する係などに用意する予定。「他の自治体を参考にした訳ではなく、丹波市独自の防止策」(市企画総務部)という。
市は2月、全職員を対象に再発防止策を協議。現状における課題や問題点なども考慮しながら、個人、組織が取り組むべき対策案を集約した。
組織に起因する問題として、▽管理監督者の管理不足▽業務量が多い▽人員不足(特に技術系職員)▽長期間に及ぶ配属▽職員間のコミュニケーション不足―などを挙げた。個人については▽倫理、法令遵守意識が低い▽当事者意識の欠如▽業務進捗に対する逼迫感―などを問題と捉えた。