江戸時代の測量家で、17年かけて日本全土を測量し、歴史上初めて日本国土の正確な姿を明らかにした偉人、伊能忠敬(1745―1818)。篠山にも1814年3月下旬から10日間滞在し、毎日約130人の近隣住民を動員して、約72キロを測量した、ということが記録に残されている。それらの史実に基づき、その足跡を実際に歩いて確認し、郷土の歴史を後世に伝えるとともに、異世代や都市住民との交流事業に活用しているユニークな団体がある。
その名も「伊能忠敬笹山領探索の会」。会長の加賀尾宏一さんは、「忠敬の測量行脚の偉業は55歳から始まり、生涯を閉じる74歳まで続いた。まさに『中高年の星』と言える。我々も忠敬にあやかり、この探索活動を高齢者の生きがいづくりとしても展開していきたい」とにこやかに話されていた。
活動開始から2年が経とうとしているこのほど、活動の成果物として機関紙第1号を発行。探索活動の歩みを紹介しているほか、小学生や都市住民との交流の模様などを掲載している。篠山市役所本庁や各支所、市民センターなどで入手可。(太治庄三)