進出中止を教訓に

2015.09.17
未―コラム記者ノート

  柏原バイパス沿いの柏原町母坪へのパチンコ店出店計画がなくなった。予定地が特定用途制限地域になることが一番の理由だが、改めて柏原バイパス沿線が抱える北柏原川の水問題が浮き彫りになった。予定地は、開発面積が1万平方以下で県条例で調整池の設置義務はない。とはいえ、開発業者は「水対策を何もしないという訳にはいかないだろう」という認識を示した。乗り越えなければいけない課題がある。
 今回、1万平方未満の土地を開発するだけでも住民や商工業界からあれだけの不安が生じたことは教訓的だ。あの土地の上流に建つ新しい県立病院と市の関連施設、市立看護専門学校の用地は、その5倍以上ある。水問題を抱えた土地であることを分かった上で選定された場所で、県、市は対策を講じるだろうが、中身を注視する必要がある。病院周囲は住宅を中心に開発が進むだろう点も加味して考えなければならない。
 県立病院は2018年度中に開院する。遅くとも同年度には北柏原川の水あふれ対策も大きく前進していることを望む。(足立智和)

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