先日、家族を連れて自宅裏山へきのこ狩りに出掛けた。わが家で食用きのことして伝わっているのは10種ほどあり、「アカタケ」と呼んでいる「サクラシメジ」や、「ノノビキ」と呼ぶ「ニセアブラシメジ」が採れた。わが子たちには、「将来にわたってわが家の秋の味覚を受け継いでもらいたい」との思いから、これらの食べられるきのこの特徴を懸命に伝えたがうわのそら。それよりも「毒きのこやで」と教えた「ドクベニタケ」や「キホウキタケ」の奇抜な色や形に心を奪われてしまっていた。
きのこの鑑定は難しい。素人が図鑑片手に調べられるものではない。「スギヒラタケ」のように、かつて食用だったものが、腎臓に疾患のある人らが中毒を起こしたことで毒きのことなった例もあるし、近年、各地で見つかっている「カエンタケ」に至っては、触るだけでも炎症を起こしてしまう。そんな超猛毒きのこも存在する。リスクのつきまとうきのこだが、やっぱり食べたい山の幸。自分で採って食べる採取の喜びと、栽培されたものでは味わえない野生の味の魅力は大きい。(太治庄三)