公約を大幅修正、あす説明へ 「5万円」を2万円商品券に 市長「理解得られるまで説明する」

2021.01.11
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会見で記者の質問に答える林市長=2021年1月6日午前11時2分、兵庫県丹波市氷上町成松で

兵庫県丹波市の林時彦市長が新型コロナウイルス対策として全市民に現金5万円給付から、商品券2万円分に公約を修正した補正予算案を12日の市議会本会議に提案するのに先立ち、市は6日の市議会運営委員会で、制度と財源の概要を示した。林市長は、大幅な公約修正の理由などは「12日の本会議で提案時に説明する」とし、それ以上発言しなかった。給付対象は、今年1月1日の住民基本台帳記録者とするほか、国の新型コロナウイルス対策交付金と、市の予算組み替えなどで約13億3000万円を捻出し、林市長が「財源にする」としていた新庁舎整備基金には手を付けない。

「つかエール・ささエール商品券交付事業」。市民に商品券を交付することで生活を支援するとともに、市内の消費喚起による事業者への支援にもつなげる。

今年1月1日時点で住民基本台帳に記録されている全市民6万3260人に交付する。同市内で使える「たんば共通商品券」と、同商品券の電子マネー版「たんばコイン」のいずれかと引き換えてもらう。

商品券2万円交付事業案の財源確保のイメージ

総額13億2948万1000円。財源は、国庫支出金の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金約5億8000万円と、残りは、事業見直しなど、予算の組み替えで捻出する。

選挙時に財源と考えていた、取り崩しに議会の議決が必要な庁舎整備準備基金(2019年度末、22億3392万円)には手を付けず、裁量で取り崩せる財政調整基金(同、54億7215万7000円)から3万1000円のみを取り崩す。

市の持ち出しの約7億5000万円のうち、2億円は、庁舎整備基金の積み立て用に予算化(未執行)していたものを充てる。残りの約5億5000万円は、市長・市議の改選前に議決し、今年2、3月に予定していた水道料金の基本料金免除の取りやめ(予算8400万円)や、未執行のコロナ対策費、事業の見直しで浮かせた費用を充当する。

国の交付金は使途に条件があり現金給付に充てることはできないが、商品券にすれば、市民に配ることができる。また、今年度中に執行できなくても議会で所定の手続きを終えていれば、翌年度に繰り越せる。

同委員会後の会見で、林市長は、「(詳細は)12日の本会議で提案説明する。その場で、どう考え、どう制度設計したのか丁寧に話す。理解が得られるまで説明したい」と述べるにとどめた。変更理由を語らなかったのは、市議会議員への配慮とみられる。

議案提案は午前9時半から。全議員が出席する15日の予算決算常任委員会で審議し、19日の本会議で採決する予定。全市民に5万円給付するには約32億円が必要だった。

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