これぞ匠の技 「檜皮葺」リーフレット製作 職人のインタビューも

2021.03.07
ニュース地域

岸田教育長にリーフレットを手渡す野垣会長(左)=2021年2月22日午前10時5分、兵庫県丹波市山南町谷川で

兵庫県丹波市の上久下地域自治協議会(野垣克已会長)は、同地域を中心に脈々と受け継がれている「檜皮葺」技術を含む「伝統建築工匠の技」が、昨年12月にユネスコの無形文化遺産に登録されたことを受け、その技術を子どもたちに知ってもらおうと、檜皮葺職人をはじめ、檜皮葺や茅葺の建造物を紹介したリーフレット「ひわだの里 かみくげ」を製作した。同協議会の野垣会長(71)らがこのほど、同市教育委員会を訪れ、市内全児童(22校、3157人)分を岸田隆博教育長に手渡した。

リーフレットは4000部製作。カラー刷りで、展開するとA3判になる。

地元・上久下小学校の卒業生で檜皮葺職人の5人のインタビューコーナーや、上久下地域を中心とした檜皮葺や茅葺の建造物10カ所を紹介した地図、檜皮葺に関する歴史年表などで構成している。

インタビューコーナーでは、「どんなきっかけで、檜皮葺職人になった」との質問に対し、職人らは「親の後を継いだ」「小6の時に檜皮葺交流学習を経験し興味を持ったから」などと回答。「女性の職人はいるの」の質問には、「京都や奈良に数人いる。現場監督には女性が多い」などと答えている。地図には、同市山南町の慧日寺や大歳神社、高座神社、旧友井家住宅など、檜皮葺・茅葺建造物を写真と共に紹介している。

野垣会長は、「自然から生まれた屋根、檜皮葺の伝統技術を知ってほしいし、この地域資源を教育につなげたい。リーフレットを片手に、親子で檜皮葺の建物見学に出掛けてもらえたら」と期待している。

岸田教育長は、「地域の誇りを知るキャリア教育に活用したい」と話している。

関連記事