古代米をドライフラワーに 作品づくり楽しむグループ結成 「いにしえに思いはせて」

2021.04.15
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古代米を使ったドライフラワーの作品を手にする「彩穂丹」のメンバーたち。左から多恵子さん、瀧山さん、裕美子さん=兵庫県丹波篠山市内で

兵庫県丹波篠山市の女性4人がこのほど、「古代米」のドライフラワーで作品づくりを楽しむグループ「彩穂丹」を結成した。メンバーらは、赤や赤紫、黄、白など色とりどりの稲穂をつけた古代米を使い、壁飾り「スワッグ」や、わら細工風の作品などを思い思いに仕上げている。代表の瀧山玲子さん(58)は自宅近くで10種類の古代米を育てており、「ドライフラワー作りから古代米の美しさに触れてほしい。農家と非農家をつなぐきっかけにもなれば」と話している。

メンバーは瀧山さんのほか、細見多恵子さん(49)、細見裕美子さん(51)、井関幸代さん(58)。

中に実が入っていない状態で刈り取り、1週間ほど天日干ししたイネをドライフラワーにしている。赤っぽい色のイネは色落ちを防ぐため、干し始めてから2、3日後にいったん、クエン酸を混ぜた水の中に1、2時間浸す。その後、変色していたり、形がふぞろいだったりする葉を取り除いたもので作品を作る。

瀧山さんは「みんな素人です」と笑うが、輪っか状の「リース」のほか、水引を付けたしめ飾りやカメの形のわら細工など、色、形ともに鮮やかで、個性が光る作品がそろっている。多恵子さんは「イネの色合いがきれいなので作りがいがある」とほほ笑み、裕美子さんは「色によってさまざまな組み合わせができる。奥深くて楽しい」と話す。

4年前、瀧山さんは、同県小野市の女性が、国内外の古代米を集めて栽培に取り組みながらも高齢を理由に引退した京都府の農家から種もみを継承していることを知った。色鮮やかな稲穂に一目惚れし、女性から種もみを譲ってもらった。

1アールの畑で紅林、豊の栄、朝紫、ベンガラ、戸隠、神庭の紅、神丹穂、種子島、稲美の翁、鈴稲の10種類を栽培。全て手作業のため手間も掛かるが、「品種によって色が少しずつ違っていて、育つたびに変化していく様子が面白い」と顔をほころばせ、「育ててみたいという人が一人でも増えてくれればうれしい」と話す。

「赤い稲穂の波が揺れて波にみえる様子が『丹波』の名の由来ともいわれる。いにしえに思いをはせてほしい」と語り、「コロナ終息後にはイベントへの出展などもできれば」と意気込んでいる。

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