花はピンク色です かわいい「レッドクローバー」 地域を癒やす存在

2021.05.26
地域

山口さんが畑で栽培しているレッドクローバー=2021年5月17日午前11時10分、兵庫県丹波篠山市県守で

兵庫県丹波篠山市の山口守さん(81)は、所有する畑でマメ科の多年草「レッドクローバー」を栽培している。緑の枝や葉が繁茂する小さな森の中、直径2センチほどのピンク色の花がぽつりぽつりと見える。もともと畑にすき込む緑肥にするために栽培し始めたが、かわいらしい球形の花が近隣住民の間で「癒やされる」と評判になっている。

9アールの畑で黒大豆を栽培している山口さん。特に世話をする必要がなく、緑肥と景観維持に役立つレッドクローバーの存在を、JAが発行するパンフレットで知り、京都の種苗会社から「メジウム」という品種名の種を購入した。

昨年5月ごろ、畑の端3アールに植え、昨秋に初めて花をつけた。山口さんは「日当たりによって一つひとつピンクの色合いが違う。特に女性から喜ばれました」と笑う。

咲いた花は「コロナ禍の癒やしになれば」と市内の郵便局や知人が勤める会社などに送っている。一輪挿しができるほどの長さに枝を切って手渡し、小さな幸せを届けている。

山口さんから手渡された花を花瓶に入れて飾った篠山本荘郵便局の町端卓也局長(53)は「ピンク色の花と蕾の形がきれいだった。何人かのお客様も『きれい』と言われていた。局内が華やかになりました」と感謝していた。

山口さんは「遊びで育てているような感覚だけれど、花を見て喜んでくれる人を見るとうれしい。緑肥としては使えませんね」と笑い、「欲しいという方がおられたら、なんぼでも差し上げます」とほほ笑んでいた。

シャジクソウ属の一種。「ムラサキツメクサ」とも呼ばれ、春と秋に花をつける。花部分には、女性の更年期症状を抑えるイソフラボンやエストロゲンなどの成分を含んでおり、ハーブとしても多用されている。

花言葉は「実直」「善良で陽気」など。

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