菅義偉首相が、自民党総裁選への不出馬を表明した。党内では「ポスト菅」に向けた動きが加速。丹波地域を含む兵庫5区選出の自民党、谷公一議員は丹波新聞社の取材に「政権発足から国政選挙で3敗、地元横浜市長選挙でも大敗。党内では菅さんを推せるのかという雰囲気が広がっていた。総裁選前に役員人事を行おうとしたのも、党のためというより、自分の延命のためのように感じた」とした上で、「デジタル庁発足や、賛否ありながらも五輪、パラリンピックを終えられたのも菅さんの功績として評価しなければならない」と話した。丹波地域の市民はどう受け止めたのか。まちの声を拾った。
20代会社経営の男性は、「コミュニケーション能力は足りなかったかもしれないが、デジタル庁新設や携帯代値下げなど、採点するなら85点」と高評価。一方で、子育て中の30代女性は、「コロナ対策では緊急事態宣言さえ出せば良いと考えていたのではないかと思うほど、それしか打つ手がなかった印象。結局、収束につながっていない」と指摘する。
発信力の弱さを指摘された菅首相。前出の男性は「国会での答弁やメディア対応などを見ていると、はっきりと答えず、もやもやとしたまま、話が終わることが多かった。次の首相には、国民への誠実な発信を求めたい」とする。
次期首相への期待も高まる。70代無職男性は「コロナを早く収束させて、経済活動を通常に戻してほしい」とし、60代パート女性も「とにもかくにも経済対策をお願いしたい。このままでは日本は沈没してしまう」と危機感を募らせる。
50代会社員男性は、「子育て世帯に弁当を届ける活動をする中で、コロナ禍で特に子育て世帯が困っていることが見えてきた。子育て世帯の誰もが“普通に”暮らせる社会にしてほしい」と言い、40代会社員女性は、「次の首相への期待感で自民党の支持率が上がるなら、辞職も全て菅さんの計算かもしれない。計算に走るのではなく、悪いことがあれば素直に謝り、次に臨んでいくような、まじめな人が就任してほしい」と話した。
谷議員は次期総裁に推す人選について「(候補者が)出揃い、政策を聞いてから(決める)」とした。