重症リスクをいち早く判定 医療センターが検査測定機器導入 結果判明期間3日→20分に

2021.09.13
地域

近く導入される、新型コロナウイルスの陽性患者の重症化をいち早く判定できる検査測定機器(提供)

兵庫医科大学ささやま医療センター(兵庫県丹波篠山市)は近く、採血により新型コロナウイルスの陽性患者の重症化をいち早く判定できる検査測定機器を導入する。重症化リスクの検査はこれまで外注しており、結果が分かるまで3日ほどかかったが、機器導入により約20分で判明する。また、同医療センターでの検査結果や、患者が自宅で測定した体温や血圧などの情報を同センターと患者のスマートフォンなどで共有するシステムを、さらに同市内3カ所の訪問看護ステーションにも広げ、情報を共有する。

関連する約1290万円の予算案が、7日の市議会定例会で可決された。ほぼ全額、新型コロナウイルス感染症対応地域創生臨時交付金を活用する。市医師会に補助し、医師会が会員の同センターに機器を設置する。

導入する機器は、シスメックス社(神戸市)の「全自動免疫測定装置」。PCR検査陽性者で無症状、軽症、中等症1までの患者が同医療センターで受ける最初の検査「メディカルチェック」で使う。リスクを調べ、初期症状のうちに適切な治療を施す。同病院は、丹波篠山市に隣接する丹波市のコロナ感染者の検査も担っている。

また、新たに訪問看護ステーションと情報を共有するシステムは、ヘルパーや看護師、かかりつけ医などが訪問先で得た患者の情報を、同医療センターとインターネット上で共有する。これまで導入していた同医療センターと患者・家族との情報共有システム「ヘルスケアサポート」を拡大する形で、コロナ禍の在宅医療を支える。

同センターの片山覚病院長は「地方では医療資源が乏しく、都市部の医療機関まで行って重症化することもある。中等症までは地方で自己完結できる医療体制が必要で、今回の機器やシステムの導入で患者さんの安心を提供できるのでは」と話している。

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