「農の学校」運営事務局 木下智代さん(丹波市)

2021.03.28
たんばのひと

木下智代さん

丹波の農業底上げに

新規就農を目指す人が栽培技術と農業経営を通年で学ぶ、丹波市立「農の学校」(市島町上田)を指定管理する「マイファーム」の社員で、同校に常駐し運営に携わる。年間カリキュラムの作成や作付け指導計画、生徒募集の広報など多岐にわたる業務をこなす。
枚方市生まれの三田市育ち。前職は京都市で輸出入の手続きを行う通関士で、農業との関わりは一切なかった。「食べることが好き。外食しなくてもおいしいものを安く食べられないか考えていた」と笑う。

この思いは、「自分で作ってみる」に発展。休みになるとドレッシングやパン、みそなどをこしらえるようになった。やがて自分が使用している食材はどのように生産されているのかが気になるようになったという。

「自分で育ててみようか」―。滋賀県の知人に畑を借り、豆類の栽培を始めた。同じころ、有機栽培されたジャガイモを口にする機会があり、おいしさに驚いた。有機野菜を扱う八百屋の店員に農家のこと、栽培方法や今年の収量などについて話を聞き、農業への興味は募るばかり。「食事に感謝するようになった」と心境の変化を振り返る。

縁あって2017年から現職に。同社の週末農業学校の運営に携わり、ノウハウを学んだ。週末学校と違い、農の学校は全日制、運営の違いに戸惑った。ただ生徒との距離は近く、一人ひとりに合った授業も取り入れるなど、柔軟に対応している。

農の学校は4月、3期生20人を迎える。「卒業生と現役生をつなぎ、互いに支え合える関係を築ければ。農の学校が、丹波の農業を底上げできるところまでつながればうれしい」。37歳。

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