1年で搬送先様変わり
丹波市消防本部「おおむね円滑」
医師不足に伴う県立柏原病院の診療の1部縮小により、 救急車で搬送される患者の搬送先の病院が、 昨年1年間で大きく様変わりしていることが、 丹波市消防本部のまとめで分かった。 昨年の全搬送数に占める柏原病院の割合が、 2年前と比べ 17・5%減り、 大塚病院が 9 %増えた。 市外への搬送も、 8%増えた。 1昨年と昨年を比べると、 柏原病院は31%減、 大塚病院は56%、 市外は78%それぞれ増えている。
変化の最大の要因は、 柏原病院の内科の診療縮小。 医師不足により、 9月から内科の夜間の救急患者の受け入れを水曜のみとし、 心筋こうそくなどの患者を診ることができなくなった。 内科を中心に、 昨年より3割以上搬送数が減った。
一方、 大塚病院は、 夏ごろから搬送数が急増し、 柏原病院と並ぶ数を受け入れた月もあるという。 内科が主だが、 柏原赤十字が外科を休診にした影響からか、 外科の患者も増えているという。
このほか、 大山病院 (西脇市) が、 前年より約3倍増。 福知山市民病院 (福知山市)、 京都ルネス病院 (同)、 市立西脇病院 (西脇市) など、 丹波市に隣接する近隣病院への搬送が増えている。 これまで、 一度市内の病院に搬送し、 その後で市外の病院に転院搬送していたが、 昨年8月から、 現場から直接市外の病院へ搬送するケースが増えた。
また、 兵庫医大篠山病院 (篠山市)、 岡本病院 (同・昨年は8人) も増えており、 丹波市、 篠山市内の5病院で作る 「丹波医療圏域」 の輪番制度が、 柏原病院の弱体化により、 これまでよりやや利用されるようになったとみられる。
8月から始まった小児科の救急輪番制度の影響では、 小野市民病院 への搬送が1件あったものの、 おおむね丹波圏域と隣接市の病院でおさまっている。
同市消防本部では、 「大山病院、 福知山市民病院は市外だが、 山南、 市島の人にとっては生活圏内。 収容してから丹波市内の病院に運ぶより、 時間的に早いこともあり、 収容してから病院到着までの時間は以前とほぼ変わっていない。 今のところ、 高度医療を除けば、 隣接市の病院をうまく使い救急業務は円滑にいっている」 と分析している。 (足立智和)=07年2月1日掲載