兵庫県丹波篠山市宮ノ前、畑井の2集落で構成する「ぎおん老人クラブ」(向井祥隆会長)が、コロナ禍に対応した新たな地域貢献活動として、「わが家から花いっぱい運動」を始めた。全会員42人の自宅に花を宅配。世話をしてもらうことで、外出できない中でも、地域づくりに参加する喜びや生きがいを感じてほしいと考えた。向井会長は、「コロナ禍での老人クラブ活動の実践例としてヒントにしてもらえれば」と話している。
会員の見守り活動「友愛訪問」の一環。同クラブの向井会長(73)と山本晴朗副会長(70)が、色のバリエーションが豊富な品種「プリムラ・ジュリアン」が植わったプランターを1つずつ届けて回った。
コロナ禍の影響で、いきいき体操やグラウンドゴルフ大会など、健康維持を目的とした行事が軒並み中止に。また、向井会長は以前から、クラブ活動に参加する顔ぶれが、体調や足腰が元気な人に限られていることを気にしていた。
そこで「わが家から花いっぱい運動」を企画。向井会長は「集うことで得られる喜びもあるが、水やりが日課となり、暮らしに張りが出ることで健康維持につながる。あちこちで花が見られる地域づくりに一役買えるのでは」と期待する。市の助成金を活用した。
花を受け取った女性(79)は「うれしい」と繰り返し、「普段はよく花を枯らすけれど、この花は枯らさないようにしっかり世話をします」と笑っていた。
向井会長は「コロナ禍だからこそ、今までクラブ活動に参加できていなかった人に関わってもらえるやり方が見えた」と話していた。