兵庫県丹波篠山市黒岡にある春日神社の秋季大祭が15、16日の両日、同神社や篠山城跡の城下町一体で営まれた。ここ2年は神事のみだったが、今年は3年ぶりに鉾山が巡行し、神輿(しんよ)行列が行われるなど、本来の形に近い形となった。
丹波篠山の三大秋祭りの一つで、市の無形民俗文化財でもある大祭。本宮では350年以上にわたって継承され、京都・祇園祭の影響を色濃く受けた9基の鉾山がまちを巡行し、絢爛豪華な見送りとともに秋の城下町に彩を添えた。
神輿行列では、子どもたちが引く金みこしが登場。今年は勇壮さで知られる太鼓みこしは行われなかったものの、子どもたちは精いっぱいまちを練り歩き、「ヨーイ、サージャー」と威勢の良い声を上げていた。
秋の味覚を買い求めに訪れていた多くの観光客は、こぞってシャッターを切り、大きな拍手を送っていた。大阪市から訪れていた女性(67)は、「祭りと知らずに来たけれど、伝統的な祭りも、将来を担う元気な子どもたちも、『日本の宝だなあ』と改めて思った。継承は大変だと思うけれど応援していきたい」と目を細めていた。