兵庫県丹波市山南町和田の狭宮神社で14、15の両日、厄除けや家内安全、無病息災を願う「厄神祭」が行われた。和田地域が薬草の産地であることにちなみ、境内に作る「薬草の輪」は、材料のウコン葉の提供を受けていた県の研究施設の閉鎖により存続が危ぶまれたが、宮総代らが栽培に取り組み、今年も無事に設置された。
「薬草の輪」は、直径2・5メートル。金属の芯に、ウコンの葉を巻き付け、赤白のナンテン、若松を飾って作る。同神社では夏の天神祭に「茅の輪」を作っており、年越しから厄神祭にかけての新たな名物として、2004年から薬草の輪を作り始めた。
ウコンの葉は「県立農林水産技術総合センター薬草試験地」(同町和田)から提供を受けていたが、昨年3月で閉鎖に。宮総代らが知恵を出し合い、「残された種芋を植えてみよう」と、神社敷地内で栽培に挑戦。昨秋、葉を収穫することができた。今年の種芋は来年用に掘り起こして保管しているという。宮総代代表の有田裕さん(71)は「手探りだったが、続けられて良かった」と話していた。
本厄に当たることから、仲の良い地元の同級生7人でおはらいを受けに来た男性(40)=大阪市=は、「声を掛けてもらって参拝できて良かった。何事もなく過ごせたら」と笑顔。前厄の同級生4人で訪れた地元の男性(58)は「みんなが1年間元気でいられますように」と願っていた。