兵庫県丹波篠山市の篠山産業、篠山鳳鳴高校の硬式野球部員計32人と、同市内5中学校の野球部員計28人が交流する合同練習会が、篠山産業高校であった。日本高校野球連盟などが高校野球の未来を考える「高校野球200年構想」に基づく、県内では初となる中高生の球児の交流事業。高校生が〝コーチ〟となり、中学生に打撃や守備の基本技術を指導した。
県高校野球連盟、丹波篠山市、同市教育委員会の共催。競技人口が減少している野球の振興や技術向上などが目的。
同市スポーツ振興官で、岡山・創志学園高監督時代に6回、甲子園出場に導いた長澤宏行さん(69)の篠山産業高監督就任を機に、同市が県高野連に持ち掛け、実現した。
打撃練習では、長澤監督が、体の軸がぶれないスイング方法を指導。中学生は、それを意識しながら、投げ手の高校生を相手に、軟式球を使ってバッティングに取り組んだ。
守備講習では、上半身と下半身を連動して投げられるようになる、腸腰筋を意識したスローイングの練習法を、高校生が身振り手振りで指導。シャドースローでは、始めは声が出ていなかった中学生も、高校生に鼓舞され、「0、1、2、3」と大きな声を出して腕を振っていた。
高校生がシートノックのデモンストレーションを見せる場面では、打球のさばきぶりに、中学生は羨望の眼差しを向けていた。
篠山中2年の選手は「教えてもらったスイングの基礎を意識すると、フリーバッティングで普段より飛ぶようになって、楽しかった。一生懸命に野球に取り組む先輩のようになりたい」と目を輝かせ、篠山産業高2年の選手は「中学生は元気に楽しく野球をやっていた。吸収も早く、教えやすかった」と話した。