兵庫県丹波市立柏原中学校の生徒会が、大地震に見舞われたトルコとシリアを支援しようと募金活動を実施。2万321円を集め、5日、「トルコ地震兵庫県義援金募集委員会」に送金した。募金には生徒のほか、教員や家族も協力した。
大地震の惨事をニュースで知った生徒会役員らは「苦しんでいる子どもたちがいる。何かできないか」と教師と話し合い、募金活動を行うことを決めた。2月21日―3月5日の期間、生徒会の文化福祉委員会が中心となって、全校生徒(256人)に募金を呼び掛けた。
折しも2年生は募金活動中に社会科の授業で、明治時代に和歌山県沖で難破したトルコ(当時オスマン帝国)の軍艦の乗務員を日本人が救った「エルトゥールル号遭難事件」を学んだ。この出来事がきっかけで、現在も両国が良い関係にあり、東日本大震災の際には、トルコがいち早く救援に駆け付けてくれたことを知り、募金活動に弾みがついた。
文化福祉委員長の西田三矢朗さん(2年)は、「当初は集まるかなあと不安だったが、みんなが積極的に募金してくれて、うれしかった。保護者からのお札も入っていてびっくりした」と顔をほころばせ、生徒会長の蘆田翔太さん(同)は、「集まった募金はずっしりとしていた。お金の重さだけでなく、募金してくれた皆さんの思いの重さでもあると感じた」と話していた。
2月6日、トルコ南部でマグニチュード7・8の地震が発生。その約9時間後にも再び大地震に見舞われ、トルコで約4万6000人、隣国シリアで約6800人、合わせて約5万3000人が亡くなった。また、700万人もの子どもたちが被災したとされる。