市で初「くるみん」認定 機器の製造販売会社 男性の育休取得も推進

2023.05.09
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「子育てサポート企業」に認定された三菱電機社会インフラ機器の福冨社長(右)と社員ら=2023年4月18日午前10時40分、兵庫県丹波市氷上町成松で

仕事と育児の両立支援を推進しているとして、鉄道車両や配電、電力用の各機器を製造販売している「三菱電機社会インフラ機器」(兵庫県丹波市氷上町成松、福冨幸雄社長、旧東洋電機)がこのほど、同県丹波市で初めて厚生労働大臣から「子育てサポート企業」の認定を受けた。男女とも育児休業の取得率が一定以上であることや、両立を支援するための具体的な行動計画を策定し、これを達成したことが認められた。福冨社長は「生き生きとやりがいを持って働ける環境づくりを目指してきた。丹波地域の模範となる企業を目指し、さらなる職場環境の改善に取り組みたい」と話している。

赤ちゃんの「おくるみ」と、「企業ぐるみ」で両立支援に取り組むとして「くるみん認定」と呼ばれている。策定した行動計画を達成するなど基準を満たし、同省に申請すると認定が受けられる。

2015年7月―20年6月を計画期間と設定。育児休業・復職に関する制度を社員に継続周知したり、一斉定時退社日の励行、インターンシップなど就業体験の場を提供したりといった目標を立て、いずれもクリアした。

育児休業の取得は、男性は1人以上、女性は75%以上の取得を目標に設定し、いずれも達成。これらは計画期間が過ぎた後も継続し、男性は年々取得者が増え、22年度は3人だった。女性は対象者がなかった22年度を除き、20、21年度と100%だった。同社は「特に男性の育児休業取得は、各職場での業務調整など、職場全体での協力が大きい」とした。

有給休暇の取得も促進しており、ゴールデンウイークや夏季、年末などの長期休暇の平日に、全社で一斉に取得している。また、従業員やその家族の誕生日、結婚記念日など、自由に日程を指定し、有給休暇を計画的に取得する「パーソナル休暇」を設定するなどの工夫をしている。

福冨社長は「特に男性の育児休業をしっかりやっていくということが認められたと思っている。継続性を大事にしたい」と話していた。

このほど福冨社長らが市役所本庁を訪問し、林時彦市長に市で初の認定を報告した。市によると、今年3月末時点で、県内では同社を含め116社が認定されている。

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