化石発見者の足立さん 1次調査の感想

2007.03.28
丹波の恐竜

 最後の搬出作業が行われた22日、 現場で作業を見守った、 発見者の一人で柏原高校講師の足立冽さん (63) =丹波市柏原町=に話を聞いた。
  (聞き手は古西広祐)
 ―1次調査の終了を迎えた感想は
  「正直ほっとした。 ずっと盗掘を気にしていたので」
 ―発掘現場の雰囲気は
  「何も出なくても発見者の責任ではないのだが、 何か重いものを背負っているような気分だった。 2月に本発掘が始まったが、 最初の3日ほどは小さな骨しか出なくて現場は沈んでいた。 4―5日目に血道弓が出てきて、 やれやれと思った。 ほとんどの人が楽しんでいたと思う。 何かの骨が見つかると、 沸き立ってみんなが集まってくる感じだった。 『2次発掘があるでしょうから、 また来ます』 と言う人もいた」
 ―20年来の夢だった発掘に携わったが
  「仕事と現場を行ったりきたりして忙しかったが、 ものすごく充実していた。 生徒には 『話し出したら授業にならないから、 恐竜のことは聞くな』 と言っていた。 腹ばいになって化石の発掘をしている外国の現場の写真をよく見ていて、 憧れていた。 今回、 体を横たえて作業している写真を誰かが撮ってくれた。 夢がかなった気持ちで本当にうれしかった」
 ―2次発掘への期待は
  「見つかる骨はこれからがすごいと思う。 腰の骨なんて、 ものすごく太いだろうから。 万が一、 恐竜が倒れた場所に川などがあると骨が流されている可能性があるが、 そうじゃない限りは残っていると思う。 秋以降の調査には相当期待している」

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