定年後の暮らしを満喫
市民による丹波市内の森林整備などを活動趣旨とした「丹波市木の駅実行委員会」の代表を務める。伐採された原木を買い取り、まきやチップに加工して販売。その収益で原木を買い取る際には、たんば共通商品券で支払い、地域経済の活性化の一助にもなっている。
個人や自治会、住民団体など市内の約100件が原木の供給者として登録しており、氷上町南油良の県有地に設けたストックヤードに随時、伐採した間伐材を出荷している。まきに加工するのは、昨年に立ち上げた「薪部」。丹波市へのIターン者、市内在住の外国人など十数人が月に3回集まり、まき割り機や斧でまきにしている。「まきストーブの愛好家だけでなく、たき火やサウナの材料として事業所や個人からの需要があり、ここ2年ほどは供給が追いつかないほど」という。
まきにする一方、氷上町の木材業者に原木を販売し、チップに加工してもらい、バイオマス発電の原料として市内の企業に納入しており、企業も一体となった森林整備活動を展開している。
現在66歳。定年後の暮らしを考えるようになった50代半ば、木の駅実行委員会が立ち上がる話を聞き、飛び込んだのがきっかけだった。森林整備活動の一方で6年前、恐竜化石の知識を問う試験に合格、「ひとはく(県立人と自然の博物館)化石専門指導員」の認証を受け、化石発掘体験の指導に当たる。「木の駅のメンバーの大半は、20代から50代で女性もいます。木の駅では、私より若い人たちに接し、化石発掘体験では子どもと触れ合っています。おかげで定年後の暮らしを満喫しています」とほほえんだ。