マジック愛好家 田中和幸さん(丹波市)

2025.02.02
たんばのひと

田中和幸さん

驚く声と笑顔やりがいに

敬老会や夏祭り、子ども会行事などの余興でマジックを披露して20年以上。コロナ禍前は年間50ステージほど、現在は30ステージほど出演している。見た人の驚く声や楽しそうな笑顔をやりがいに、理想とする「芸術的なマジック」を目指している。

マジシャン名は「カズ・タナカ」。「春日マジッククラブ」、北近畿マジックサークル「レア」に所属。朝来市社会福祉協議会や京都府中丹文化事業団(綾部市)の事業にも登録し、依頼があれば駆け付ける。

40歳のころ、テレビで見たカードマジックに感動し、トランプを買って練習を始めたのが最初。もともと手先は不器用。仕事の休憩時間、帰宅後など時間を見つけてはトランプやコインを触り続けた。トランプやコインを持つ手の動きで死角をつくり、消えたり、突然現れたりしたように見せる「ハンドリング」にも磨きをかけた。さらに春日マジッククラブではステージマジックも習得した。

始めて5年ほどでステージに立ったが、「ネタも少なく、マジックをするのに必死で」と懐かしむ。今ではレパートリーは100以上。披露する会場の広さ、来場者の年齢層、人数、出演時間などに応じてネタの構成を組み立てる。「その時間が一番神経を使う」

「マジックの魅力の一番は技術。失敗は駄目。上達すれば芸術になる。きれいな手の動き、鮮やかさこそマジックの本領」と理想を語る。一方で、「失敗したときが一番うける」と苦笑い。「見る人たちは、完璧なものよりも、楽しいものを求めているのかなと思うときもある。それもマジックの奥深さ」。バルーンアートで来場者を楽しませることもある。66歳。

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