伝統の子授け法要 58組中「願済」が15組 妊娠わかり「びっくりした」

2026.02.22
地域歴史注目

参拝者の願いを読み上げた飯田住職。お堂に入りきらなかった人は外のテントから手を合わせた=兵庫県丹波篠山市大熊で

兵庫県丹波篠山市大熊の瑠璃寺・薬師堂で2月11日、本尊の薬師如来に子授けなどを祈願する恒例の法要が営まれた。近年、口コミなどで御利益が広がり、今年も58組約100人が参拝。小雨の降る中、お堂や外に張られたテントに集った人々は、山里の小さなお堂に向かって、静かに祈りをささげていた。

懐妊や安産祈願のほか、願いが叶った報告の「願済(がんさい)」にと、地元や県内他地域をはじめ、遠くは東京や福島、福岡、埼玉、三重などからも申し込みがあった。

法要では近くの小林寺の飯田天祥住職が般若心経や薬師経などを読経し、薬師如来の真言「オンコロコロセンダリマトウギソワカ」を唱えたほか、申し込んだ人たちの名前と願いを読み上げていった。

瑠璃寺は平安時代に建立されたと伝わり、いつの頃からか子授けに御利益があるとして知る人ぞ知る祈願場所になっている。

地元住民によると、「何年も子どもができなかった夫婦が祈願後、すぐにできた」「職場の同僚の依頼で住民が祈願したところ、子を授かった」などの逸話は数多い。今回参詣した58組のうち、懐妊祈願は25組、願済は15組だった。

知り合いから法要を教えてもらい、2年前から懐妊を祈願していた神戸市の女性(34)は、昨年の法要直後の検査で妊娠が判明。今年は願済に訪れた。「2人目を授かりたかったが、なかなかできず。ここで祈願して駄目だったら治療を始めようと思っていた」と言い、「妊娠が分かった時はうれしかったし、びっくりした。来ていなかったらこの子はいなかったかも」と生まれたばかりの赤ちゃんを抱きしめた。

法要を支える住民らは、今年、新たに赤いスタッフジャンパーを作製。「赤ちゃんにちなんで赤色です」とほほ笑む松笠勝也自治会長(61)は、「雨の中、多くの人に来ていただき、ありがたいこと。また来年、うれしい報告が聞けることを楽しみにしている」と笑顔で話していた。

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