犯罪と心理

2007.01.29
丹波春秋

 凶悪犯罪の報道にふれるたび気になることがあった。これまで凶悪犯罪と無縁であったような地域での発生がめだつことだ。地方でも凶悪犯罪は起きる。なぜそんなことになったのか。先ごろ柏原であった講演でその疑問が解けた。▼講師を務めた日本女子大学の清永賢二教授は、「今の子どもをめぐる犯罪は、中心地のはずれの地域で起きている」と言い、その地域には共通点が見られるという。その共通点とは、地域のバランスが崩れ、生活が乱れていることだ。▼清永教授によると、地域バランスの崩れをみる具体的な指標がある。それは落書きとゴミだ。落書きがあり、ゴミが落ちているような地域からは、「無法なことができる」というサインが出ている。それが犯罪を誘発する。落書きとゴミにまみれた地域は危ない。凶悪犯罪が地方でも起きているのは、落書きとゴミに象徴される無秩序な地域が増えているからだろう。▼人の心理として、すでに汚れている所は自分も少しぐらい汚してもかまわないと気がゆるむ。それが連鎖反応を呼ぶと、ゴミの投棄どころではすまなくなり、犯罪の温床へとエスカレートしていく。▼講演の前に柏原の町を歩いた清永教授は、講演で「ゴミを捨てるな、という看板が目についた」と話していた。この警告を真剣に受け止め、地域を見直したい。   (Y)

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