公共事業

2012.12.13
丹波春秋

 中央自動車道のトンネルの天井板事故で多数の犠牲者が出た。国交省は同じような構造を持つ全国49カ所のトンネルの点検を指示したが、新神戸など丹波地域からよく利用するものも含まれている。▼たまたま通りかかって事故に巻き込まれた人たちを「運の悪い!」と気の毒に思っても、その運命は我々に等しく負ぶさっている。全く、天が落ちてくることを心配した杞(き)の国の人を笑ってはいられない。▼全国に15万7000カ所ある15メートル以上の橋梁のうち、217カ所が老朽化のため通行止めになっている。重量制限を設けているものも合わせ、4年前より1・7倍に増えたという(日経4日号)。▼橋や道路を通せば、作る時は勿論、長年維持保全していくためにも相当のお金がかかる。学校、病院、上下水道等々の公共施設、皆しかり。その額は全国で毎年数兆円の規模にのぼるとみられるが、国や自治体にはさほど認識されていないようだ。それどころか、さらに大型公共投資を、との声さえ上がっているが、果たして日本にそんな体力が残っているのか。▼丹波地域でも、小中学校の統廃合に伴って新しい校舎をどうするかということが議論されている。なるべく既存の施設を修復活用し、どうしても新設が必要な場合でも出来る限りコンパクトに考えるべきだ。(E)

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