弓道場建設普及に意欲 青野博通さん

2002.08.25
たんばのひと

 自宅近くに篠山市内で初めての弓道場を自費で建設し、 7月末に道場開きを行った。 弓道を始めて9年、 5段の腕前を持つ。 道場をつくる一方で篠山市弓道協会も設立。 市内外の有段者ら6人が参加している。 愛好者のすそ野を広げるため、 9月から初級講座をスタートさせる。

 「校長として最後に勤務した川西緑台高校には弓道部があり、 市内に弓道場もありました。 以前から興味のあった弓道をより身近に感じたのがきっかけで、 弓道を始めました。 弓道の作法は非常に静かです。 しかし、 静の中にも動がある。 力を内にためて矢を放つ。 力の充満と矢の鋭さが魅力です」
 「シュートが決まって派手に喜ぶサッカーのようなパフォーマンスは、 弓道にはありません。 というのも、 弓道には的を射ることができたのも、 あなたのおかげ、 という考え方があるから。 相手を思いやって喜びを表さない。 その点、非常に謙虚だし、 武道本来の姿があります」
 「篠山市弓道協会には有段者が私を含めて4人、 女性が2人おられ、 週に一回集まって練習しています。 今後は月に一回、 月例射会を開いて競射をし、 技術的にも人間的な面でも高めていきたい。 また、 流派の違う人にも会員になってもらって、 互いに磨き合いたいですね。 心にゆがみがあると、 的に当たらないし、 いくら腕が上がってもへりくだった気持ちがないと、 やすきに流れてしまいます」
 「建設した弓道場は、 10年で使命を終わらせたいと思っています。 やがて市立の弓道場ができるまでのワンステップです。 そのためにも愛好者を増やさないと。 弓道場をつくるのはしんどく、 これが山場かと思っていましたが、弓道場ができた今、 これからが本当の山場だと考えています」

 青野さんが弓道を始めたのは50歳代の半ばを過ぎてから。 80歳を越えても、 かくしゃくと弓をひいている人がいるという。 弓道は生涯スポーツの一つといえる。 城下町篠山は歴史的には武道が盛んだった土地柄であり、 弓道が今に根づいていてもおかしくなかった。 弓道の再興をはかり、 生涯スポーツとして普及できるか、 青野さんの役割は大きい。 篠山市追入。 66歳。 (Y)

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