3年目の初公演氷上高演劇部長 高橋まゆみさん

2002.09.08
たんばのひと

 入部して2年間、 他に部員がいなかったため、 1人で活動を模索してきた。 今年度、 1年生2人が入部。 自分たちの公演を開くことを目標に練習を重ね、 先月柏原町で芝居上演。 夢を実現させた。

 「中学生の時から抱いていた 『演劇をやる』 という夢をかなえようと、 入部しました。 先輩は3年生だけ。 皆さん進学や就職に忙しくて部室に来られない。 練習方法も分からなくて、 『いつか一人芝居でも出来たら』 とは思っていたけど、 部室にはほとんど行かず“幽霊部員”になってました」
 「転機は昨年、 篠山市の市民ミュージカル 『オズの魔法使い』 に参加したことです。 そのころは、 病気で長く入院していたんですが、 主治医の先生もOKしてくださったので、 オーディションを受けました。 そこで、 演技も踊りの素養もないのに主要キャストに選ばれたんです。 それから2月の本番まで、 1週間に3、 4回の練習を重ねました。 演じきり幕が降りたときは、 病気にうち勝ったうれしさもあり、 大泣きしました。 すごく大きな経験です」
 「今年4月、 1年生が2人入ってくれました。 『これで、 ここでも芝居ができる』 と、 すごくうれしかった。 練習を始めたけど、 私も基礎がないので、 自分で覚えるのと、 人に教えるのとで大変。 夏休み前に初公演が決まりましたが、 セットも衣装も全然ないし、 課題が山積みでしたね。 本番直前まで準備をしていたけど芝居に対する自信はありました。 終わった時は 『もっとこの部でやりたい』 と欲も出てきました」
 「生まれつき体が弱く、 大人しい子だったんですが、 演劇を始めて、 人生が変わりました。 堂々と自分の意見が言えるようになったし、 友達もすごく増えました。 芝居は就職しても、 できる限り続けたいと思う。 色んな経験を積んで、 人にうったえる演技をしたいです」

 まっすぐに前を見てハキハキと喋る姿からは、 引っ込み思案だったという少女の姿は感じられなかった。 さまざまな出来事にうち勝ってきた強さを演技に込め、 これからも人を感動させる芝居を続けてほしい。 春日町鹿場。 氷上高3年生。 19歳。 (P)

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