氷上郡自家用自動車協会の会長を長年務め、 組織の発展に大きな功績があったとして、 全国自家用自動車協会会長賞を受けた。 1947年の協会発足当初から理事として関わり、 80年に3代目会長に就任。 23年間会長を務め、 今年5月に退任した。 今年度の受賞は県下で1人。
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「氷上郡自家用自動車協会は、 自動車オーナーの会で、 事業所と個人の会員合わせて約3500人が加入しています。 自動車を所有し、 運転していることで、 いろんな形で住民に迷惑をかけることが出てくる。 税金を払う以外に社会に対する還元をすべきというのが持論です」
「もともとは、 戦後の物資が乏しかった時代に、 ガソリン供給を円滑に行うための組織としてスタートしました。 その後、 運営方針が変わり、 現在は警察の車庫調査代行業務を中心に、 企業の事故防止にも力を入れています。協会内に安全管理者部会を置き、 年3回の研修や交通安全運動期間中の街頭パトロールなども行っています」
「郡内でも自動車が徐々に増えはじめた昭和30年ごろには、 ボランティアで舗装道路のセンターライン引きをしたことを覚えています。 郡内25カ町村にペンキ代の寄付を依頼して回り、 みんなで一生懸命やりました。 丹波は霧が濃く、 運転しにくいという悪条件があったことから、 柏原署で県下に先駆けて取り組んだのです」
「協会は任意加入なので、 なかなか会員が増えないのが悩み。 今後は郡のダンプカー協会、 交通安全協会、 運輸事業者と協調しながら活動していきたい。 また現在、 軽自動車は車庫法上の規定がなく、 車庫がない場所にも駐車できるのですが、 普通車同様、 車庫格納を義務づける方向へ進めたい。 路上駐車をなくし、 車上狙いなどの犯罪予防にもつながると思っています」
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地方では一家に1台が当たり前の現代。 車社会の弊害も多いが、 ドライバーがそれを自覚するのはなかなか難しい。 会長職を退いても、 他団体と手を携え、 オーナーの意識向上を指導してほしい。 町会議員、 丹波の森協会専務理事、 保護司など他の公職でも地域に貢献。 安井酒類販売社長。 氷上町石生。 79歳。 (J)