兵庫県丹波老人性痴呆疾患センター長 福井辰彦さん

2003.07.31
たんばのひと

気軽に来所、 相談を
兵庫県丹波老人性痴呆疾患センター長 福井辰彦さん  (三田市在住)
 
(ふくい・たつひこ) 1954年 (昭和29年) 氷上町伊佐口生まれ。 篠山鳳鳴高校、 兵庫医科大卒。 氷上町の香良病院勤務を経て、 1989年から医療法人敬愛会へ。 三田高原病院に勤務したあと敬愛会精神科医療部長。 2001年から兵庫県丹波老人性痴呆疾患センター長を兼務。
 
 兵庫県丹波老人性痴呆疾患センター長で、 老人性痴呆症の症例や治療の啓発、 相談を行う。 同センターは、 県下5カ所にあり、 丹波地域は氷上町の大塚病院内に設置されている。
 「老人性痴呆症は、 70歳以上の人がほとんど。 アルツハイマー型と脳血管疾患型の2つのタイプに分かれます。 アルツハイマー型は女性、 脳血管疾患型は男性の方が比較的多いようです。 国内では65歳以上の高齢者の7.8%に痴呆症状が見られます。 2030年には10人に1人になると予測されます」 と警告。
 痴呆症が増える背景には高齢化の進行が大きい。 「同じことを何回も聞くようになったり、 生活がだらしなくなったりしたら要注意。 気軽に相談に来てほしい」 と呼びかける。 「家庭内では、 痴呆症状を示していても、 他人にはそうは見えないときもある。 よその人には、 病気と見られたくない、 という自分を守る本能が働く」 という。
 「センターには家族とお年寄りが一緒に来られるケースが多い。 まず、 CTで脳血管疾患の有無を調べるなど鑑別をします。 痴呆性という診断が出るのを恐れて、 来所をためらうケースも見られ、 症状が重くなってからやって来る家族もあります。 痴呆は10年周期ともいわれます。 早期発見、 早期治療が何よりも大切」 と訴える。
 介護については、 「良好な人間関係づくりが基本。 相手のペースやレベルに合わせる。 自尊心を傷つけないことなどが求められます」 と強調する。 丹波地域の家族会や高齢者、 女性の会など年に10回程度講演に出向いており、 10人ぐらいの小人数の集まりにも顔を出し、 痴呆予防も伝授する。 「趣味や生きがいを持ち、 人と常に交わることに心がけてほしい」と話す。 相談日は火、 木、 土曜日で (電0795・82・4874)。
 「子どものころ佐治川で魚取りに熱中したことが思い出」 と少年時代を振り返る。 今はビリヤードの時間が楽しみ。
(臼井 学)

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