東京デザイナー学院学校長 徳田 悦男 (とくだ えつお) さん

2003.12.14
たんばのひと

学生の長所を伸ばす
東京デザイナー学院学校長 徳田 悦男 (とくだ えつお) さん  (東京都府中市在住)
 
1947年 (昭和22年) 氷上町生まれ。 柏原高校、 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒。 医薬器具のテルモでデザイナーとして3年間勤務。 73年、 東京デザイナー学院の教員として転職し、 工業デザインを教える。 2000年4月より現職。
 
 今年創立40周年を迎えた東京デザイナー学院は、 生徒数3000人、 専任講師を含む教員250人を擁する2年制の専門学校。 1割近くが、 大学・短大を卒業後に入学してくるそうだ。 「成績で進学して、 あとで自分が本当にしたいことが分かるというケースが多いようですね」。 南アフリカ、 アルゼンチン、 モンゴルなどの各国からの学生も200人ほどおり、 多様性に富む。
 学校長としての最も重要な仕事は 「数年先の社会を展望して、 特色ある学校への方向付けをすること」 という。 徳田さんの理念は 「新職人、 つまりデザインのできる職人を育てること」 で、 「『病院なら白い壁』 という固定観念にしばられず、 患者や職員が気持ちよく過ごせるよう職場の環境や、 生活文化全般に自分のセンスを生かせるような、 アート志向にあふれた人材を育てたい」。
 入学試験は面接だけ。 高等学校の進路指導担当者へは 「チャレンジする意欲があり、 性格が前向きで明るい人。 好きな事に対しては、 努力することができる人」 と推薦入学の基準をお願いしている。 「これまでの日本はでこぼこを修正する教育でした。 僕は悪いところを無理に直すより、 良いところを伸ばすことにエネルギーを注ぎたい」
 小学生のころから絵画が得意だったが、 高校3年生の夏までは理系の大学を目指していた。 ふとしたきっかけで工業デザインを受験することに変更。 自身の作品の特徴は、 和紙を用いたコラージュ (貼り合わせ) で人の顔を表現することだそうだ。 「油絵を描いている兄が、 僕の作品と一緒に9月に丹波で作品展をしました。 今後は東京でも個展を開きたい」
  「僕の色は黄色」 という。 「それは秋の丹波。 稲木が続く道の両脇に掛けられた稲の黄金色、 僕の原風景です」。

(上 高子)

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