総務省大臣官房審議官 原田正司 (はらだ ただし) さん

2004.01.08
たんばのひと

地方自治体を元気に
総務省大臣官房審議官 原田正司 (はらだ ただし) さん (埼玉県越谷市在住)
 
1951年 (昭和26年) 篠山市福住生まれ。 三田学園、 東京大学法学部卒業後、 自治省 (現総務省) 入省。 群馬県財政課長、 桑名市助役、 消防庁国際消防協力官、 三重県副知事、 自治省行政局および総務省自治行政局で課長を歴任。 2003年1月より現職。
 
 上下水道事業、 公立病院、 地下鉄などの地方公営企業を財政面から支援する。 「いわば地方自治の経営管理です」。 都市も多くの問題を抱えてはいるが、 体験を通して地方の悩みの方がより深刻だと認識しているから、 「テレビなどで地方が頑張っているのを見るとつい応援したくなる」 という。
 総務省が全国の市町村合併を推進している中で、 篠山市の合併がいち早く成功したので 「出身者としては鼻高々ですよ」。 氷上郡もうまく行くと期待を込めて見守っていたそうだ。
 これまで大小数え切れないほど多数の法律策定に関わり、 地方行政の制度づくりに心血を注いだ。 われわれの日常に身近なものでは、 電子政府の取り組みの一環で、 自治政策課課長時代に立案した 「公的個人認証法 (略称)」。 「自宅からでもパソコンで必要書類を申請して入手できるようにするために、 オンラインで本人判別の方法を考案したものですが、 まもなく施行されます」 という。
 早くから官僚を目指していたわけではない。 大学4年生で就職を考えたとき、 「田舎から離れてしまったことにどこか後ろめたさがあったので、 地方の役に立つような仕事をしたい、 という漠とした思いがありましたね」。 農水省か自治省かと悩んだ末、 地方自治体が元気で頑張れるようにサポートする仕事を選んだ。
 年に2回は帰郷する。 そのつど少年期の思い出は走馬灯のように脳裏を駆ける。 「ディーゼルの篠山線が廃線になる前の6年間、 2時間かけて三田学園へ通学しました」。 退官後はUターン希望らしい。 「まだ未調整ですけど、 一方的に私のふるさとを女房に押し付けるわけには行かないでしょうね」。 話している間笑顔が絶えない。 こちらの質問を聞くときだけ真剣な真顔。 はっきり変化したのが印象的だった。

(上 高子)

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