最近発売された自動車に関係する1万2000語を解説した事典 「大車林」 を共同執筆。 自動車専門の情報事典は、 日本で初めて。 この本の監修では中心的役割を果たした。
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「車に関する用語解説をはじめ、 自動車と環境、 革新技術の最前線のほか、 懐かしの国産車名の由来として、 345車種を網羅するなど、 車のことがすべてわかります。 車版のイミダスといったところでしょうか。 初版1万冊を2カ月で完売。 第2版の販売に入っているところです。 モーターファンを中心に人気は上々のようです」
「国内の自動車メーカー、 研究所、 大学などの関係者130人が執筆を担当し、 私もエンジンと試験の部門を受け持ちました。 一つの領域に複数の専門家が解説するので、 まとめるのに苦労。 また、 読者が使いやすいようにと車の部品や機能をアイウエオ順に整理するのも大変でした。 自動車メーカーでの商品企画から開発試験、 商品導入などあらゆる経験が役立ちました」
「1962年に大学を出て広島のマツダに入社。 10年間は、 レース車のエンジン出力アップとチームマネージの仕事に携わりました。 海外のレース場にも何回か足を運びました。 後年に世界的に知られるフランスの 『ルマン24時間耐久レース』 参戦にもかかわり、 91年に優勝経験も味わいました。 乗用車からトラックまで様々な量産車の商品性実験も担当。 車漬けの日々でした」
「退職後、 実家の宮津からそう遠くない市島町に古民家を見つけて、 住んでいます。 母が俳人の西山小鼓子さんに師事した縁もありました。 退職したら車のことは、 忘れようとしていた矢先に情報事典の執筆が舞い込みました。 少しでも世の中に役立つ仕事ができてうれしい」
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市島に来て、 1年にも満たないが、 本のおかげで、 知り合いが増えたという。 水素や燃料電池による車の開発も進む。 豊富な知識や経験を生かし、 環境にやさしい自動車、 車との上手なつきあい方を提言してほしい。 本は東京の三栄書房から刊行。 定価6300円 (消費税込み)。 64歳。 市島町中竹田。
(M)