高校時代に書いた作文が英訳され、 三省堂の来春の高校生用英語教科書に掲載されることになった。 篠山鳳鳴高のインターアクト部でフィリピンを訪れ、 ピナトゥボ火山被災地で行ったボランティア活動について書いたもの。
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「高校1年と2年の時に、 フィリピンに行きました。 教科書に載るのは、 『地球にやさしい作文・活動報告コンテスト』 で文部科学大臣賞を受賞した作文です。 当時、 英訳されて英字新聞にも掲載されたのですが、 読んでいなかったので、 『こんな表現になるんだ』 と新鮮でした。 英語は苦手なので、 もし自分がこの教科書で勉強していたら手こずったかもしれませんね」
「現地で交流したのは、 アエタ族の人たち。 満足な教育を受けていないので、 青空教室で数字や文字を教えました。 差別を受けている彼らは、 商売をしてもだまされることが多く、 外部の人とは打ち解けないと聞いていました。 でも、 2回目に行った時には、 私たちの姿を見た子どもたちが走ってきて、 みんなで大歓迎。 言葉は通じなくても気持ちが通じるんだと、 感動しました」
「フィリピンでこうした活動ができたのは、 『気持ちを伝える力』 がついてきたから。 それは、 インターアクト部で地域のお年寄りや養護学校のみんなと交流する中で養われたものだと思います」
「教科書に載ると聞いたときは、 びっくりしました。 でも、 作文なら目を通さなくても、 教科書ならより多くの人に読んでもらえる。 文章は短めで写真が多いので、 受け入れやすいと思います。 ちょっとでも興味を持ち、 『丹波の田舎の子でもやろうと思えばこんなことができるんだ。 私もできることがあるかもしれない』 と思ってもらえれば。 読んだ人の何かの支えになればうれしいです」
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保育士を目指して現在、 昼は保育所でアルバイトをし、 大阪の専門学校の夜間部で勉強している。 大変だろうが、 目標に向かって前向きに語る言葉は、 力強く伝わった。 きっと子どもたちとも心を通わせる、 優しい保育士になってくれるだろう。 篠山市後川中出身。 21歳。 (Z)