学生ベンチャー上場
アルファグループ社長 上 岳史 (うえ たけし) さん (東京都在住)
1971年 (昭和46年) 東京生まれ。 上智大文学部卒。 94年にプラスアルファ (現在はアルファグループの子会社) を創業。
携帯電話の販売、 オフィス用文具の通信販売のほか、 アルバイトの人材請負などを展開する会社の青年社長。 大学在学中にサークル活動の先輩と共に立ち上げたのが、 10年で売り上げ72億円、 従業員200人 (正社員120人) の会社に成長。 この4月、 新興・中堅企業向けの株式市場 「ジャスダック」 への上場を果たした。
「学生の時から、 卒業したらどこかの会社に就職しようとは全く考えていなかった。 いきなりベンチャー企業をめざす学生は当時まだ珍しく、 周りからは変な目で見られたが、 社長になることだけを志していた」 という。 「でも今は、 そういう学生は全く珍しくありません。 日本も10年遅れでアメリカの後を追っかけているんでしょう」。
どの業務も競争相手は多いが、 「代理店に対して、 我が社自ら手がけて培ったノウハウをマニュアル化して提供したり、 マーケティングの支援をすることでネットワークを強化しており、 売り上げはまだまだ伸びる」。 今後、 代理店網を関東近辺から全国に広げ、 売り上げを1000億円台に乗せるのが当面の目標だ。
念願だったベンツの購入は割り合い簡単に実現したが、 「もちろん規模が大きくなるほど、 プレッシャーは大きいですよ。 見る夢はたいてい仕事がらみ。 早朝に目が覚めて寝付けないこともしょっちゅう」。 ジムに通ったり、 一人で海辺に行ってぼーっと過ごすことでストレスの解消をはかっている。 「でも基本的には、 仕事が一番好きなんですよ」。
母の出身地、 氷上町には 「おばあちゃんが生きていた3年前までは時々行っていたが、 帰るたびに町中が淋しくなっていくのが残念。 都会で体験したビジネスを持ち帰って、 いなかで展開する人がもっと出てきてほしい。 ビジネスチャンスはどこででも得られます」。 自身も、 「関西に代理店を増やして、 もう少しつながりを持ちたい」 とにっこり笑った。
(外野英吉)